『ジャスティス・リーグ』



マーベルのヒーロー集合ものがアベンジャーズですが、こちらはDCのヒーロー集合もの。
様々な企業とのコラボの方向性が少しおかしかったのでどうなることかと思ってましたが、前作の『ワンダーウーマン』がおもしろかったし予告編も恰好良い仕上がりだったので期待をしていました。

まだMCUほど作品が出ていないし、いきなり本作から観ても大丈夫といえば大丈夫ですが、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は観ておいたほうがいいかもしれない。サブタイトルからも本作の直接的な前日譚だと思う。

以下、ネタバレです。











相変わらずアメコミの原作を読んでいないため、細かいこだわりなどはあとから調べて知ったので、たぶん知っていたらもっと楽しめたと思う。

おおまかなストーリーは、海底とワンダーウーマンの故郷セミッシラと地球に分散されてい保管されていた三つのマザーボックスを、今回のヴィラン、ステッペンウルフが入手するのを阻止する。
セミッシラはワンダーウーマンですが、海底を守るのはアクアマン、地球で保管されている場所はサイボーグであるビクターの父が働くラボである。

ワンダーウーマンとバットマンは、『ワンダーウーマン』の最後でメールを送っていたこともあって、最初から顔見知りの状態で、すでにチームに参加することになっている。なっているが、ブルース・ウェインがいまいち積極的ではないというか、アルフレッドがいないと何もできないというか、ダイアナが積極的なしっかり者で良かったねという感じだった。

フラッシュをスカウトに行くときにもバリー・アレンにいきなりコウモリ型のカミソリ(何か名前があるのかも…)を投げつける始末。バリーはブルースがバットマンだとわかり、ノリノリで仲間になるけれど、ブルースには他に方法がなかったのだろうか。でも、このシリーズのブルースらしいといえばらしいのかもしれない。

バトルでもバットマンだけあまり活躍してなかった。バリーに「あなたの能力は?」と聞かれて「I’m RICH.」と答えていたけれど、本当にそれだけの可能性があるし、映画を観た後だと“この映画内ではあまり活躍しないけれどそうゆうことですよ”という前振りにも思える。

一回目のバトルの時に出してきたカニのような乗り物(追記:クモらしい)のナイトクローラーは恰好良かったけれど、その操縦もサイボーグが機械と一体化することで行っていた。バットマンは一体化できませんものね…。

序盤、人々の希望であるスーパーマンの死を市民が悼んでいていて、そこで流れる歌とスーパーマンの胸のマークが黒くなっている大きな喪章が掲げられている画が陰鬱でとても良かった。

でも、どこかで復活するんだろうなとは思いながら観ていた。復活させようと言い出したのはブルースなんですが、原作を知っている人たちからすると、それがかなり意外だったらしい。私はなんとなくこのメンバーのリーダーだし、特に意外には感じなかった。
ただ、蘇らせるためにバリーとビクターが墓を掘り返していて、これは常識的じゃない方法なのだなと実感した。なんであの二人が墓をあばく係になってしまったのだろう。若手だからでしょうか。

バリーがここで『ペット・セメタリー』のタイトルを出して怯えていて可愛い。とにかく友達が欲しいバリーは、一緒に墓あばきをしたからビクターともイエーイと拳を付き合わせようとしていたけれど、相手にされていなかった。かわいそうではあったけれど距離のつめ方がおかしいのかもしれないとも思った。

結局、復活したクラークは大暴れをしていて、バリーが「やっぱり『ペット・セメタリー』だった!」と言っているのも可愛かった。暴れているクラークを止めようとしてメンバー総出で押さえ込もうとするシーンでは、速いバリーの姿をギロリとクラークが目を動かしてとらえている様子がぞくっとしたし恰好良かった。

ザック・スナイダーの手法として見せ場でスローになるというのがあるけれど、フラッシュは速いから相対的に周囲がスローになる描写が使われていて、この手法によく合っていると思った。けれど、ザック・スナイダーは途中で降板しているので、ザックの手によるものなのかわからない。

復活したクラークが大暴れしているときにブルースだけ遅れてくるので、何かしらブルースがクラークを鎮める役目を担うのかと思ったら、アルフレッドに「“切り札”を」と言ってロイスを連れてこさせていた。最初に切り札と言ったときからロイスのことだろうなとは思っていたけれどそのまんまで少しがっかりした。

大規模なチーム戦は映画内で二回あるんですが、一回目は地下、二回目はロシアの住民が少ないところと、市街地を避ける傾向が見られた。おそらく、『マン・オブ・スティール』や『ジャスティスの誕生』でも、市民がだいぶ巻き込まれていると言われたから意識的に避けたのではないかと思う。
二回目のバトル時も、フラッシュが少ない住民(というか一家族だけですが)を精一杯遠いところへ移動させていた。

一回目のバトルではメンバーの協力プレイが見られた。二回目も途中までは協力プレイでしたが、スーパーマンが遅れてくると彼の独壇場になる。ものすごく強い。たぶん、一人でも倒せそうだった。
でも三つのキューブを離すのはサイボーグとスーパーマン二人でやっていたから一応協力プレイかな…。

最後にはフラッシュもサイボーグと拳を突き合わせてもらって、ちゃんと友情が芽生えていたのを見てホッとした。

ビクターは父親に勝手に体を改造されて生き返ったことを怒っていたけれど、最後はラボで父親の手伝いをしていたので和解も見られた。

今回の新メンバーとしてもう一人アクアマンがいますが、全身刺青上半身裸のビジュアルがものすごく恰好良いのと、強がっていてもワンダーウーマンの真実の投げ縄で本当は怖いことを告白しちゃうあたりが可愛い。マッチョでコワモテなのに。

フラッシュ、サイボーグ、アクアマンについてはおそらくこれから単独の映画が控えているのだと思いますが、それも楽しみになった(『アクアマン』は北米で2018年公開予定とのこと)。

今回の映画の中でのバトル関連だと、序盤、セミッシラでのマザーボックスを守る様子も良かった。アマゾンたちが、まるでラグビーかアメフトのようにボックスを次々にパスしながらなんとかステッペンウルフから遠ざけようとする。結局奪われてはしまうけれど、恰好良いアクションで見ごたえがあった。

ジャスティス・リーグのメンバーたちは、なんとなくまだ全員が意気投合している感じではない。かといってギスギスしているわけではない。ある程度仲が深まらないとギスギスもしない。まだその前の段階という気がする。
アベンジャーズの場合、寄せ集められてもすぐに意気投合していたように見えたけれど、ジャスティス・リーグのほうがリアリティがある。急に寄せ集められたら実際はこんなものだと思う。

この人たちがどんどん仲を深めていくのだと思うとわくわくするので、早く続編を公開してほしい。

おまけ映像では、フラッシュとスーパーマンがブランチを賭けて競争していた。バリーはクラークとも仲良くなれたんだね、友達できたね、良かったねとほっこりした。

バリー・アレンを演じているのはエズラ・ミラー。イケメンだけれど、早口だったりとオタク気質なのが合っていた。全体的に本当に可愛かったので、単独作も早く観たい。けれど、ジャスティス・リーグメンバーとの絡みももっと観たい。
あと、できるならば、アルフレッドにおやつを用意してもらっているバリーが見たかった。

今回も、ジェレミー・アイアンズのアルフレッドはとても良かった。小粋なことを言いつつ上品。アルフレッドはノーラン版のマイケル・ケインもドラマ『ゴッサム』のシーン・パートウィーも好きです。

もう一つのおまけ映像ではレックスも出てきていた。この辺も原作を知らないのでわからなかったのですが、次作へのつながりに期待。

エンドロールでは予告編でも使われていた『Come Together』のカヴァーが流れた。言わずと知れた“Come together right now over me”の歌詞がよく合っている。彼らのテーマ曲にしてほしい。

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