『戦争と平和』



BBCウェールズ製作(2016年)。NHKでも2016年に放映されました。全八回。
ジャック・ロウデンとアナイリン・バーナードが出ているということで見直してみました。

前回見たときには、トルストイの『戦争と平和』だとは知らなくて、イギリス人(と一部アメリカ人)がロシア人を演じているのに違和感があったのと、歴史ものなのでどこか重苦しい雰囲気に馴染まずにだいぶ適当に見てしまった。

しかし、今回、目当ての俳優がいるとなるとだいぶ違った感じで、最後までおもしろく見ることができた。
前回も一応ポール・ダノ目当てではあったのですが…(地上波の連続ドラマでポール・ダノ主演!と大喜びしていた)。

『戦争と平和』ですが、読んだことがなかったんですが、あらすじを読んでみる限りでは結構原作通りだったみたい。だけど、すごく長いことと、もっと膨大な量の人物が登場するみたいなのであらすじをなぞった感じなのかもしれない。

ポール・ダノ演じるピエールとリリー・ジェームズ演じるナターシャ、それに、ジェームズ・ノートン演じるアンドレイの三人が中心。
それにいとこや兄弟などが絡み合って複雑に恋愛をしていく。男たちは戦争に行く。
ですが、この感想は、ジャック・ロウデンとアナイリン・バーナードについて書いています。


ジャック・ロウデンが演じるニコライはナターシャの兄、アナイリン・バーナードが演じるボリスはナターシャの幼馴染で結婚の約束もしている。
二人とも最序盤から出てきて驚いたんですが、出てきて早々、ニコライはナターシャたちのいとこのソーニャとキスするし、それが見えるくらいの場所でボリスもナターシャとキスをしているのでこれにも驚いた。
恋愛の要素もあるし、二人のキスシーンなんかもあるのかなと思ったら、おそらく開始10分も経ってないうちに、二人まとめて見ることができた。

ボリスの母親は上に取り入るのがうまくて、近衛兵になるし、女性も金持ちを取っ替え引っ替え味見していた。ナターシャのことはそんなに好きではない風で、ピエールの金を目当てに結婚したエレンと愛人関係にもなっていた。
エレンに会いに行くときの黒いコートが恰好良かった。目がぎょろっとしていて整った顔をしている人が黒い服を着ると、悪魔的な美しさになる。
また、終盤、ロシア皇帝からナポレオンに伝令を伝える役目を担い、ナポレオンに耳を触られて気にする様子が可愛かった。

満遍なく、ちょこちょこと出てくる感じでした。ただ、ちょっと太っていて、顎の肉が気になった。もう少し痩せていていい。
吹き替えが川田紳司さんでした。それを演じているのがアナイリンだとは知らなかった。前回も川田さん目当てではあったのだけど…。

ニコライに至っては五話以外には全部出ているし、三人の次の準主役級に出番が多かった。『ベルファスト71』とは比べものにならないくらい多い。
今から考えると、なんで前回ジャック・ロウデンを見て全然引っかからなかったんだろう?と思うくらい、すべてのシーンで恰好良かったです。

最初に戦地に赴くときにナターシャが「お兄様の軍服姿、素敵」と言っていたけれど、本当にナターシャの気持ちがよくわかりました。素敵でした。
しかし、最初の戦地では、馬が撃たれ、単身、剣をかざして敵の只中に勇敢に立ち向かっていこうとするも、正気になって逃げ戻る。情けないけれど、それが彼の命を救ったし、ジャック・ロウデンに合う。
『The Tunnel』のときにも思ったけれど、結構ダメ男を演じさせて輝くタイプではないかと思った。

三話では愛するソーニャにちょっかいをかけてきたドーロホフにカードの勝負を挑み、ムキになって一晩続けた結果、莫大な金額の借金を背負う。
取り返しのつかないことをした朝、自宅に戻るとソーニャのピアノでナターシャが歌っている。それに合わせてニコライも歌うシーンがある。
ジャック・ロウデンのロシア語の歌が聴けるのも貴重ですが、このときに、涙ぐんでいるのが本当に良い。この娘たちはこんなに純真で美しいのに、自分ときたらどうだとでも思っていそうだった。大変なことをしてしまったという後悔しかなさそうだった。
結果、家を破産させてしまう。キング・オブ・ドラ息子。やっぱりダメ男である。

四話ではナターシャとソーニャと一緒に親戚の家へ行くのですが、そのときの服装がもこもこと着膨れしていて、帽子も毛のもふっとしたもので本当に可愛い。

幼い頃からずっとニコライのことが好きだったソーニャに感情移入して見ていたんですが、ニコライは途中でアンドレイの妹マリヤに心変わりしてしまう。マリヤもいい子だったし、マリヤと結婚すれば家の借金もどうにかなるし、家を潰したニコライはそうするしかないけれど、ソーニャが可哀想だった。ニコライが二人いたらよかったのにと思ってしまった。

ラストではその後の様子が描かれている。ここにもニコライは出ているので、本当に最初から最後までちゃんと出ている。軍服姿もよかったけれど、ここで着ているテロッとした記事の真っ赤なシャツも似合っていた。
ここまでちゃんと出ていてこんなに恰好いいのに、本当になんで見逃していたのかまったくわからない。しかもこれがNHKで放映されていたというのは今から考えたらまったく想像がつかない。地上波でこんなにジャック・ロウデンの姿が見られたとは…。

0 comments:

Post a Comment