『Pro9-治験』



2012年公開。日本で劇場公開されたのかは不明ですが、DVDは2014年にリリースされたようです。DVDには特典として予告編が入っているようなので、公開されたのかも。
アナイリン・バーナードが出ていたので観ました。

原題はシンプルに『The Facility』。タイトル通り、プロナインという薬の治験のために7人の男女が施設に集められる。
アナイリン・バーナードは一応主役かと思う。その七人の男女は、男性が50歳間近の治験のプロ、筋肉、インド系の学生、アナイリン・バーナード(アダム・大学院生)、女性が記者、普通の派遣社員、ブロンドの学生と個性豊かだったので、何かしら彼らの間にドラマが生まれるのかと思った。
投薬は時間差で、一人一人の自己紹介をかねているのかと思った。しかし、彼らの様々な属性は生かされることはない。筋肉も、看護師の女性を落とすみたいなことを言っていたが、そんな恋愛的なものや人間ドラマもなかった。もちろんアダムの大学院生らしい部分というのも特に出てこない。施設に向かう途中で同じ目的の女性を乗せてあげていたので何かしらあるのかと思ったけれどなかった。

治験は14日間という期間が定められていた。その14日間をフルに使えばもしかしたら人間関係が描かれたのかもしれない。けれど、最初の晩に、最初に投薬された男性が異常行動を起こす。薬の副作用で暴力的になり、顔の皮膚がただれる。
皮膚がただれた人が襲ってくるのでホラー的ではあるのだけれど、投薬をされただけだし、怖いというよりは可哀想だった。そして、時間差で次々と発症していく。

けれど、記者の女性は偽薬で、なぜかアダムもプラシーボとのことだった。記者は理由はわかるけれど、アダムが偽薬だった理由があまりよくわからなかった。薬を投与した場合、しなかった場合の違いを見ていたのだろうか。

殺しあったり殺したりしながら、結果的には6人が死亡。終わり方が淡々としていて、もしかして実話だったのかな、だからわざわざ記者の女性を出して写真を撮らせていたのかな、その写真により明るみに出た事件についての映画だったのかな…と思い、プロシントレックス製薬という会社名で検索してみましたが、この映画についての感想しか出てこないので実話ではなさそう。

ただ、監督のイアン・クラークはこの映画の後、何本かテレビ向けのドキュメンタリーを撮っているようなので、実話的な撮り方がうまいのかもしれない。
ただ、登場人物(治験のプロ)に「人類のために治験をしているつもりだったけど、会社のためだったんだよ!」という怒りのセリフがあったので、治験自体に対しての問題提起だったのかもしれない。または、何か別の治験についての告発だったのかもしれないとも思ったけれど、不明。

アナイリン・バーナードは『シタデル』でもそうでしたが、目が大きいので、恐怖に慄く表情が似合うと思った。ただ、投薬前、注意を聞いている時のへらへらした様子や他の治験者と話す様子が良かったので、もう少し、治験者たちとの人間ドラマ的な繋がりなども観たかった。ホラーパートに入るのが早すぎた。




0 comments:

Post a Comment