『24アワー・パーティー・ピープル』


2003年公開。イギリスでは2002年公開。
マッドチェスター、ハシエンダ、ファクトリー・レコードなどについて描かれている実話。テレビで活躍するジャーナリストであり、レコードレーベル設立者のトニー・ウィルソンが主役で、ドキュメンタリー形式がとられている。

最初の方のセックス・ピストルズやイギー・ポップの映像は本物だったらしい。そっくりな人が演じているのかと思った。
バンドとしては、前半がジョイ・ディヴィジョン、後半がハッピー・マンデーズが中心になっている。両バンドともちゃんと聴いたことがなかったし、ファクトリー・レコードやハシエンダも名前を知っているくらいだったので、流れや歴史がわかって勉強になった。

元々ジョン・シム目当てで観たんですが、他にも知っている俳優さんがたくさん出ていて、それぞれの20年前の若い姿が見られた。

トニー・ウィルソンを演じたスティーヴ・クーガンは最近だと『あなたを抱きしめる日まで』で観た。ジャーナリスト役なのも同じで、『あなたを〜』では政治記者をほされてゴシップ記事の取材に行かされていたが、今回は仕事が無い時期にはUFOの取材をしていてなんとなく似ていた。あんまりいままで意識してなかったけれど、いままで観たいろんな映画に出ていた。

トニー・ウィルソンの最初の奥さん役にシャーリー・ヘンダーソン、別れた後の恋人役にジョン・シムの奥さん、ケイト・マゴーワン。

マネージャー役に『ワールズ・エンド』のパティ・コンシダイン。彼に関しては20年前と現在とあまり外見の違いがわからなかった。

アンディ・サーキスは観終わったあとでも何役だったかわからなかったけれど、プロデューサーのマーティン役だった。食わせ物の役。サングラスで気づかなかった。

ジョイ・ディヴィジョンのボーカル、イアン・カーティス役にショーン・ハリス。ジョイ・ディヴィジョンのライブ映像を見ると、ステージングをだいぶ真似していたのがわかる。カリスマ性がありながらも繊細で神経質そうな役がうまかった。この前のBAFTAドラマ部門で『Southcliffe』で主演男優賞をとりました。

ジョン・シムはジョイ・ディヴィジョンのギタリスト、バーナード・サムナー役。イアン・カーティス自殺後はニュー・オーダーのボーカリストになるんですが、後半はハピマンについてが中心だったので、出番が減ってしまう。ニュー・オーダーについてももっと描かれていたら良かったのに。
でも、deleted scene扱いになっていた『Blue Monday』のレコーディングシーンがちゃんと入っていたのは嬉しかった。ギターを弾きながら歌うジョン・シムがとてもかっこいい。

エンディングでも使われているニュー・オーダーの『Here to Stay』のPVにはジョン・シムが出ていて、これを何度も繰り返し観ているんですが、彼が映画で登場しているシーンは大体使われているようで、見たことがある映像が多かった。
映画を観た後だと、劇中でのニュー・オーダーのシーンがほぼないため、ジョン・シムのニュー・オーダーが見たい人のためのサービスPVな感じがしてしまう。
最後のほうの、カメラ小僧と目が合った時にちょこっとだけ笑うシーンがすごくいい。笑顔じゃないんですよ、表情はほとんど変わらないけど口の端がわずかに上がる。
壁をよじ登ってきたファンをバカにするような、よくやるよなと感心するような、でもほんの少しだけ感情が動く瞬間。たまらない。至近距離であの顔されたい。

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