『バロウズの妻』


2001年公開。アメリカでは2000年公開。
タイトルにもなっている通り、ウィリアム・バロウズの妻であるジョーンが主役です。演じているのはコートニー・ラヴ。
真実の話と最初に書かれていて、実話なことが強調されていた。時代的には、この前観た『キル・ユア・ダーリン』のラストあたりからかぶっている。ルシアンがデイブを殺す少し前から始まる。

私は『キル・ユア・ダーリン』がとても好きになってしまったので、もっとルシアンやアレンのことが知りたいと思って観ました。実際にあった話なので、彼らの自伝的なものでも読めばわかるのかもしれないけれど。

『キル・ユア〜』のラストのあたりの感じだと、二人はあの後絶縁をしたのではないかと思ったけれど、ルシアンが投獄されていたのは2年間らしいし、出てきてか らはアレンとも一緒に遊んでいて、友情は続いているようだった。ただ、今回のラスト付近でも、ルシアンはアレンのことを壊れた車と一緒に荒野に置き去りに して自分だけ別の車で帰るというひどい仕打ちをしていたので、今回こそ絶縁したのかもしれない。
しかし、あの投獄が原因で離ればなれになったわけではないらしいというのがわかっただけでも、『キル・ユア〜』のラストでつらくなる気持ちがやわらいだ。

ただ、今作ではルシアンとデイブの間には肉体関係はないようだったし、ルシアンもはっきりと自分は同性愛者ではないと言って拒んでいた。『キル・ユア〜』で は、二人は愛し合っていた過去があるようだったので、その辺は実際にはどうなんだろう。はっきりしないのかもしれない。
あと、アレンの気持ちもルシアンは気づいていなかったのかもしれない。少なくとも、投獄前に『キル・ユア〜』で描かれたような拗れ方はしていなかったようだ。

今作では全員片想いだった。アレンはルシアンが好きで、ルシアンはジョーンが好きで、ジョーンはバロウズが好きで、バロウズは若い男が好き。
ル シアンはわりと子供っぽいというか、無邪気にジョーンにぐいぐい行くんですが、それを近くで見ているアレンが切ない。ルシアンとアレンとジョーンとで旅行 に行くんですが、アレンは常に遠慮して、二人で行動できるようにしてあげてた。まるでルシアンの幸せが自分の幸せだと言うように。それに、当のルシアンに も「あいつは片想いに耐えられる」などと言われている。

ジョーンはコートニーが演じているからそうは見えないけれど、バロウズのことがわりと一途に好きなようで、アレンとジョーンの間には同じ境遇の者同士の友情が芽生えていた。

ルシアン、アレン、バロウズ、デイブ、ジャックと『キル・ユア〜』にも出てくる人物の外見がとても似ていたんですが、『キル・ユア〜』のキャスティングを考える時にこの映画を参考にしたのか、それとも、実在のご本人たちに似せたら両方とも似てしまったのか。
今 作でバロウズを演じているのはキーファー・サザーランドなんですが、顔はジャック・バウワーでもジャックっぽさは無い(『24』の一年前らしい)。喋り方も『キル・ユア〜』でバロウズを演じたベン・フォスターと同じで、多分これは、ご本人の真似なのだろう。口をあまり開かないような独特の話し方。
アレンもくせっ毛、黒縁の大きなメガネ、濃いめの髭という外見が一緒。
ルシアンも髪型は同じようだったし、蟲惑的な印象が同じ。ルシアンを演じているのは、ノーマン・リーダス。いまだと、悪人枠とかファニー枠ですが、若いノーマンは美青年。ちなみに『処刑人』が1999年なので、この映画の前年です。

メキシコのバロウズ家からニューヨークまで車で帰る二人に「長旅気をつけてね」という言葉がかけられるので、どれくらい遠いのか調べたところ、メキシコから ニューヨークまでは車で1日12時間らしい。休まず走り続けた場合の話なので、寝たり休憩をしたり食事をすることも考えると、もっと時間がかかるだろう。

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