『Life After Beth』



2014年アメリカで公開。デイン・デハーン主演。日本で公開する様子がなかったのでアメリカ版のBlu-rayを買いました。5月よりシネマカリテのカリコレ2015での上映が決まっています(邦題もそのまま『ライフ・アフター・ベス』)。
英語字幕で観たので完全に理解出来たわけではないのですが、一応ネタバレを含んだ感想。5月に答え合わせをしようと思います。







『ウォーム・ボディーズ』はゾンビが人間の女の子に恋してしまうZombie meets Girlムービーだったんですが、こちらはゾンビになってから出会ったわけではなくて、彼女が死んでしまい、なぜか蘇ったという話。

コメディだったらもっと徹底してコメディにしてくれて良かった。もしかしたら英語字幕のせいでおもしろさが理解出来ない部分も多かったのかもしれないけれど。

ベスだけでなく他の人たちも続々と蘇ってきてしまうんですが、その理由がよくわからなかった。これも英語字幕なのでよくわからなかったのかもしれない。
序盤で、怒ってベスの家を出て行ったメイドさん(?)のPearlineという女性がいるんですが、彼女がハイチ人のため、ハイチ人→ブードゥー教→ゾンビという短絡的な考えで、ザック(デイン・デハーン)が彼女の家に押し入る。もうPearlineはどこかへ出て行ったあとだったんですが、家族から「ハイチ人が全員ブードゥー教徒だと思うな」ということと、彼女はベスの父(ジョン・C・ライリー)にセクハラを受けたから辞めたのだと知らされる。

ここでの会話で“his penis”という言葉が出てくるんですが、今まで観てた外国のコメディ…例えば、『22ジャンプストリート』やセス・ローゲン系の映画だと、penisなんてセリフが出てきたら明らかに笑うところなんですね。Pearlineの家族は捲し立てていたので、字幕が追えず、ここもギャグなのかなと思っていたけれど、あとで個別に訳してみたら違った。

そのあと、ベスの父はザックに向かって銃を構えている。そこまで怒ることなのかわからないけれど、ここで「ゾンビのベスに永遠に愛すと誓ってやってくれ」というようなことを言う。ここまで必死になるということは、どこでだかわからなかったけれど、もしかしてベスの父がベスを蘇らせて、ザックのその言葉でもって、蘇りが完了するということだったのだろうか。

はっきりとはわからなかったけれど、父親の裏の顔などは別に無くて良かったと思う。もっと、ベスとザック、二人だけに焦点を当てた青春ムービーにしてほしかった。
蘇った理由だって、「あなたが好きだから、死んだけど蘇ってきちゃった」みたいな、キュートで軽いもので良かったと思う。それか、言い残したことがあるとかやり残したことがあるみたいな切ない理由。それで、目的が遂行されたら消える…だとゾンビというよりはゴーストといった感じになってしまうか。

ゾンビでラブコメなら、服を脱いだら内臓が飛び出てたくらいのことがあっても良かった。年齢制限考慮なのか、ゴア表現はほとんどない。ゾンビものだけれど、内臓も出なければ人を食らう描写もない。血もほとんど出てこない。食べたというセリフは出てくるので食べないタイプのゾンビでは無いらしい。それでも、ホラーの要素は削られている。だから、生身の人間側にはそれほど緊迫感がない。けれど、ギャグではなくシリアスなのが中途半端だと思う。緊迫感をなくするならギャグに、シリアスにしたいならもっとホラーに寄ったほうが良かった。

途中でザックの幼馴染みの生身の女の子が出てくるんですが、これがアナ・ケンドリック。ベスを演じているのはオーブリー・プラザという女優さんなんですが、個人的な知名度ではアナ・ケンドリックのほうが上だし、幼馴染みと喋っているザックがとても楽しそうだったので、なんとなく、この生身二人を邪魔しにきたゾンビの元カノみたいな雰囲気になってしまっていたのもどうかなと思った。
ザックは何があってもベスのことを好きでいてほしかった。ゾンビと人間のカルチャー(?)ギャップはありつつも、好きで好きでたまらない、それくらの強い気持ちがないと、ゾンビと人間のラブストーリーなんて成立しない。

ザックは気持ちがぶれぶれで、最初もベスから気持ちが離れてた。でも、死んでぼんやりと後悔していたところで、ベスが蘇って喜ぶ。まるで付き合い始めのように好きだ好きだと言っている。でも、ベスが人間の理性を飛ばし始め、幼馴染みと再会すると、やっぱり気持ちが離れてしまう。
何の理由があったのかはわからないけど、最初別れようとしていたのは仕方ないかもしれない。でも、蘇ってからは、ベスだけを愛して欲しかった。

最後もザックと幼馴染みが今後いい関係になることを示唆する描写が入るんですが、別にそれはいらなかった。だって、ザックがベスを撃ったことで、もうこのお話はおしまいじゃないか。そりゃあ、おそらくザックはそのあとそうなるのはわかるけれど、それはわざわざ映画本編に入れるものではない。
ゾンビを倒して平和が訪れたその後の人間たち…というところまで描くのは、あくまでもゾンビが敵の位置にいる映画だけでいい。この映画も途中からそんな雰囲気になってしまうけれど、最初はゾンビは恋人だけだったし、敵ではなかった。
だから、ベス以外の人間を蘇らせるのもやめたほうが良かった。ベスだけが蘇って、ベスとザック、二人の関係だけを描いて欲しかった。

完全に話が理解出来ているわけではないので、もしかしたら日本語字幕付きで観たら、納得する部分もあるのかもしれない。

あと、一番致命的なところは、デイン・デハーンである意味がないところ。なんで、彼がキャスティングされたのかわからない。
こじらせ童貞臭もしないし、影も背負ってなさそう。彼女といちゃつく、一般的な男の子です。もっと、一般的な役の似合う役者さんがいると思う。

ほんのワンフレーズですが、アコースティックギターを弾きながら歌うシーンがあって、それは初めて見る姿だったし、歌声を聴いたのも初めてだったので興味深かった。そんなに上手ではないです。素朴。

ベスのマフラーの匂いをかいでいたらムラムラして、股間に手を伸ばしかけたところで部屋にお兄さんが入ってきて、「ノックしろよ!」みたいなところは良かった。お兄さん役は、マシュー・グレイ・ギュブラー。脳筋警察官っぷりがおもしろかった。



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