『The Last Post』(五話)



BBC Oneにて放映中のトム・グリン=カーニーが出演しているドラマ。アデン危機の話。全六話の五話感想。

一話、二話感想
三話感想
四話感想

以下、ネタバレです。









ハリー少佐の息子ジョージ救出回。
一話、二話くらいは登場人物がわりと好き勝手に動いていたけれど、今回はみんながそれぞれジョージの救出に向けて動いていた。

前回撃たれたエドは回復していた。良かった。
その中でそばにいた妻アリソンとも仲が回復していたが、妊娠している子供がエドの子供ではないということは言えていないようだった。どうなるのか。

最初は女性陣がアクが強くて困っていたけれど、今回、アリソンと、ジョージの帰還をひたすら待つマリー(ジョージの母)の二人は演技が素晴らしかった。
マリーは前回も「私のせいだ」と言うオナーを聖母のような微笑みで許していて、ここもうまいなーと思ったが、今回の、人前では背筋を伸ばして表情を変えず、気丈に振る舞いながら、一人になったときに自分で自分の口に布を押し込んで声が漏れないようにして泣き叫ぶシーンは本当につらい。

このドラマが他の戦争ものと違うのは兵士中心ではなくその家族の描写もきっちりあるところだと思う。普通なら、息子の救出のための交渉で一悶着あるくらいだろう。兵士とその妻たちまで描かれることで、戦争ものというよりはヒューマンドラマの印象が強くなっている。
赴任先での生活を経験したピーター・モファットが手がけているということで、リアリティもあるのだと思う。

それぞれのキャラクターに愛着がわいてきたところで多分次回最終回。さみしい。
ラストではジョーが逮捕されていた。たぶんフィルムを隠蔽したからかな。

ジョージは結局、逮捕していたテロリスト(ゲリラ?)のリーダーの解放と交換になった。
ユースラはジョージに喘息?の薬を与えてあげたいと言っていたので、やはりやらされているだけだった。ユースラも被害者です。

交渉の場に行ったのはジョーとトニー(トム・グリン=カーニー)。中でも直接交渉したのはトニーで、ジョージだけでなくユースラの解放も条件に加えたのは彼の機転だったのだろうか。最初、2対1なんてだめだと言われたけれど、女子供とリーダーの交換だと食い下がって条件を飲ませていた。

しかし、そのあと、ユースラとトニーはどうにかなったりするかなと思いきや、特に進展もなく。
ジョージが帰ってきたので、花火は上がり、パーティーも盛り上がっていたけれど、そんな中でトニーは酒をあおって、ふらつきながら、外へ出て、煙草をふかして、柵を蹴っ飛ばしていた。
やさぐれたトム・グリン=カーニー、なかなか新鮮でいいです。
それでも、外に出るときにちゃんと上着を羽織るあたりが律儀で良い。

ただつらすぎるシーンではあった。
トニーがハリー少佐に、NLF(ゲリラ)に身元が知られている彼女を守ってくれと言っても、彼女の家族ごと連れてくるわけにはいかんだろと断られていた。
「それじゃあ、家族ごと殺されますよ?」と言っても聞く耳持たず。ハリー少佐は自分のことでいっぱいいっぱいなこともあるのかもしれない。ジョージが解放されても手が震えていたし。
パーティーは盛り上がり、年が明けてもトニーだけは外にいた。全然めでたくないから祝うことなんてできない。そこでのやさぐれである。

次回予告では、やっぱりユースラがどうにかなりそうだった。アジトを秘密裏に教えたのは彼女だし、そりゃそうだろう。「彼女はどこだ!」と叫ぶトニーが出てたから、トニーはそれを止めようとしていたんだと思うけれど、このへんもどうなってしまうの。もう少し恋人っぽいことになるのかと思いましたが、もっと厳しい。プラトニックなまま終わりそう…。

というか、プラトニックどころか、ユースラは自分の父親がイギリス軍に殺されたことも知らないかもしれないし、これから知ったらもうトニーとは会わないかもしれない。会ったとしても、母と兄だか弟が一回イギリス軍に逮捕されたりもしているわけで、もう周囲も許さないだろう。ちょっとしたロミオとジュリエットって言うからもっと軽いのかと思っていたけれど、それどころではない。絶対に許されない。つらい。

(余談ですが、トム・グリン=カーニーが、トニー・アームストロングがジョーを救った旨をツイッターに書いていて、それに対してジョー役の男の子が「助けてくれてありがとう!!」ってリプを返していたのがとても可愛かった。可愛かったけど、私は本編を見る前にこのやりとりを見てしまったよ…)



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